奄美大島の歴史や文化に触れよう!歴史や文化を学べる人気の観光スポットもご紹介
目次
奄美大島の歴史について
鹿児島本土と沖縄本土のほぼ中間地点に位置する奄美大島は、15世紀から琉球王国の統治下にありました。
1609年、薩摩藩による琉球侵攻で薩摩に組み込まれ、以後、幕末まで薩摩藩支配が続いたという背景があります。
明治時代に鹿児島県に編入しましたが、第二次世界大戦後はアメリカに占領され、1953年に日本に返還されました。
このような背景から、琉球文化と薩摩文化が融合して、独特の文化を築き上げて来たのが奄美大島です。
今回は、そんな奄美大島の歴史や文化について詳しく触れながら、おすすめの観光スポットもご紹介していきます!
2021年世界自然遺産に登録
奄美大島は、2021年の7月に世界自然遺産に登録された島です。
手付かずの自然が残り昔のままの姿の風景が今も残る素朴なリゾートですが、透明な美しい海は多くの人々の心を揺さぶります。
「東洋のガラパゴス」と呼ばれるほど独自に進化した植物や動物が多く生息している島なので、自然世界遺産に登録されるのも頷けるでしょう。
世界自然遺産に登録された2021年は、奄美大島固有の動物である「アマミノクロウサギ」が天然記念物に指定されてから100年目のアニバーサリーイヤーでした。
奄美大島では、アマミノクロウサギのお土産や生態を観察できるナイトツアーなどが人気です。
その他にも、亜熱帯性広葉樹林やシダ類が広がるジャングルや美しい珊瑚礁とそこに生息するウミガメや熱帯魚も、美しい奄美大島だからこそ体験できる風景になっています。
奄美大島の文化について
ここでは、奄美大島の文化について詳しくご紹介します。
海や山などアウトドア以外の楽しみ方もたくさんあるのが、奄美大島の魅力です。
奄美大島の文化に興味が湧いたら、島民の方に直接お話を聞いてみるとより理解が深まるかもしれませんね。
伝統産業-大島紬
奄美大島の伝統産業で最も歴史あるものの一つが、大島紬と言えるでしょう。
奄美大島が発祥の場所である絹織物で、約1,300年の歴史がある日本の伝統工芸品になります。奄美大島紬は、何人もの職人さんが手間をかけて制作する伝統工芸品です。
世界3大織物の1つとして、今も世界中で人気がある織物になっています。
後継者が少なく、図案・締め・染色の工程を行う職人さんが少なくなっているのが現状です。
奄美大島では、染物や織物を体験できるワークショップもたくさん行われています。
旅行の機会に歴史ある大島紬の工程を体験できるチャンスなので、ぜひ参加してみましょう。
オリジナルのお土産づくりにもおすすめで、お子様の夏休みの自由研究の課題としても人気です。
他にも伝統産業として、サトウキビづくりや黒糖焼酎づくりなどがあります。
島を1周するとサトウキビ畑をすぐに見つけられ、黒糖焼酎づくりの見学ができる場所もありますよ!
ぜひ足を運んで、奄美大島の伝統産業を間近に体験してみてはいかがでしょうか。
お祭り-奄美祭り
奄美大島では、様々なお祭りがありますが、その中で特に有名なお祭りとして挙げられるのが、奄美まつりです。
奄美まつりは、4日間開催される花火大会やパレードが行われる島内最大のお祭りで、毎年8月の前半に行われています。
舟こぎ競争ややんちゃ坊相撲大会をはじめ、連日多くの人で賑わいますが、観光客の方が特に楽しみにしているのは、八月踊りでしょう。
八月踊りは、旧暦の八月に五穀豊穣を願って行われる踊りです。
様々な種類の踊りがあり、奄美大島の歴史や風情を感じることができますよ!
この他にも豊年祭や節田マンカイなどのお祭りが各集落で開催されます。
お祭りのタイミングに合わせて旅行の計画をするのも面白いかもしれませんね。
島唄(民謡)
奄美大島には、多くの島唄(民謡)が受け継がれています。
集落ごとに伝わっている労働歌や伝承が歌詞になっているものなどがあり、情緒を感じる島唄が多いです。
即興の唄遊びは奄美大島ならではの島唄で、その場で歌詞を紡いでいく島唄になっています。
島唄は、島唄巡りツアーやワークショップなどでも聞けますが、奄美大島の居酒屋などでも聞くことができるのは有名です。
旅行中の夜に島唄が聴ける居酒屋を訪れ、美味しい地酒と郷土料理を堪能してみてはいかがでしょうか。
郷土料理
奄美大島の郷土料理・ソウルフードは、鶏飯・ヤギ汁・パパイヤの漬物・油そうめんなどがあります。
特に鶏飯(ケイハン)は、島民で嫌いな人はいないと言われるほど人気のソウルフードです。
基本的には、おひつに入ったご飯・錦糸卵・椎茸の含め煮・鶏・鶏スープが並べられ、自分の好きなように食べるのが流儀になっています。
薬味として、パパイヤの漬物・紅しょうが・海苔・ネギ・タンカンの皮などが添えられるので、思い思いの食べ方で味わってください。
また、奄美大島では、昔ヤギを食用としていた背景があり、その名残で、現在もヤギ汁やヤギ肉のステーキなどが様々な場所で食べられます。
独特のクセがあるので苦手な方もいるかもしれませんが、そのクセが好きな人は大好物になるかもしれません。
デザートには、ヤギミルクのソフトクリームもあるので、こちらも一度試してみるとよいでしょう。
この他にも、名物食材のアオサ・島ラッキョウ・エラブチ(カラフルな魚)やおやつのアンダギー・黒糖スイーツ・カシャ餅(ヨモギ餅)などがあるので、ぜひ試してみてくださいね!
奄美大島の歴史・文化を感じられる!
おすすめの観光スポット10選
ここでは、奄美大島の歴史・文化を感じられる観光スポットをご紹介します。
雨が降った時のプランBとして、この情報を活用するのもおすすめです。
せっかくの旅行なのでホテルに籠らず、奄美大島の魅力を体験できる施設へ足を運んでみましょう。
奄美パーク
「奄美パーク」は、奄美大島の自然・歴史・文化を展示パネルや映像などで学べる施設です。
奄美空港を含んだ海岸沿いが一望できる絶景の展望台もあるので、お見逃しなく!
2Fはレストランになっており、郷土料理も味わえる上、お土産屋さんも併設しているので、ゆっくりとお土産を選ぶのにもおすすめです。
田中一村記念美術館
出典:鹿児島県観光連盟
「田中一村記念美術館」は、奄美パークにある美術館です。
奄美大島の自然に魅了された不遇の天才画家、田中一村が描く、四季折々の奄美大島の絵画が展示されています。
色彩豊かで奄美大島固有の動植物も描かれているので、自然が好きな方にもおすすめです。
夢おりの郷
「夢おりの郷」は、大島紬の体験型テーマパークで、様々なワークショップを体験して、大島紬の歴史や文化を学べる施設です。
着付け体験・泥染や藍染体験・機織り体験などで、大島紬を身近に感じる観光が特に人気で、初心者の方でも気軽に参加できるでしょう。
旅の思い出づくりとして、大島紬を着て写真を撮ったり、一点物のお土産が制作できたりするので、人気の場所です。
また、市場にはない商品やリーズナブルに購入できる商品もあるので、掘り出し物が見つかるかもしれません。
大島紬村
「大島紬村」は、大島紬の生産工場を併設している観光施設です。
工場の見学や染物体験などができる施設なので、雨でも楽しめる場所として人気があります。
泥染・藍染・ウコン染めやはた織りに着付け体験を本格的に学べるのが特徴です。
また、観光庭園があるのでフォトスポットとしても人気があり、大島紬を着て撮影するのにぴったりな場所と言えるでしょう。
旧陸軍手安弾薬庫跡
「旧陸軍手安弾薬庫跡」は、奄美大島に残されている戦跡です。
戦時中は、集落の住民にも知られずに大量の弾薬を格納していました。
当時にしては大変優れた構造になっており、その構造を観察するだけでも貴重な体験になるかもしれません。
多湿でも耐えられる構造になっており、日本の重要な施設だったと分かるような立派な建造物になっています。
戦跡を歩きながら、日本の歴史や奄美大島の歴史を感じてみましょう。
住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町手安
営業時間:いつでも入れますが危険なので日中に訪れましょう
アクセス:奄美空港から車で約1時間45分
駐車場有無:無し
西郷南洲流謫跡
「西郷南洲流謫跡(サイゴウナンシュウルタクアト)」は、西郷隆盛が息子の菊次郎のために立てた家で、西郷隆盛が自ら歩いて選定したこだわりの土地として知られています。
西郷隆盛は、1859年〜1861年まで奄美に身を潜めていましたが、こちらの屋敷には2ヶ月ほどしか滞在していなかったそうです。
現在の屋敷は、明治時代に建て直されたものですが、堀は当時のまま残されており、入り口には、勝海舟の碑文が刻まれた石碑があります。
屋敷内は、西郷隆盛の資料が展示されており直筆の書なども見られるので、歴史好きとしては訪れておきたい場所の一つです。
住所:鹿児島県大島郡龍郷町龍郷166–1
営業時間:10:00〜17:00
アクセス:奄美空港から車で約30分
駐車場有無:有り
西郷松跡と西郷翁上陸の地
西郷隆盛ゆかりの地を巡る旅で人気なのが、「西郷松跡と西郷翁上陸の地」です。
こちらは、西郷隆盛が奄美大島に上陸する際に舟を繋ぎ止めるために使った松の木の跡地になります。
当時は、樹齢100年を超える大木でしたが、2011年に立ち枯れと診断され、現在は伐採されています。
同じ敷地内に「西郷松本舗」というお店があり、自家製の黒糖から作られたお菓子やサトウキビジュースが購入できます。
西郷隆盛は、島民から黒糖を搾取する政治や制度に胸を痛め、奄美の人々の待遇改善に努めていたそうです。
住所:鹿児島県大島郡龍郷町久場886
営業時間:9:00〜18:00
アクセス:奄美空港から車で約25分
駐車場有無:有り
奄美市立奄美博物館
出典:奄美市役所
「奄美市立奄美博物館」は、奄美大島の自然・歴史・文化を学べる場所として、観光客だけではなく島民も利用しています。
亜熱帯の季節の移り変わりや伝統行事などを詳しく展示している博物館です。
日本文化だけなく琉球王国統治時代の琉球文化も展示してあるので、奄美大島の知られざる一面が学べるスポットになっています。
また、奄美大島が日本に返還された歴史や他の国に統治されていた時の文化など、学校では学べない知識が身に付くかもしれません。
住所:鹿児島県奄美市名瀬長浜町517
営業時間:9:00〜17:00
アクセス:奄美空港から車で約50分
駐車場有無:有り
奄美市歴史民俗資料館
「奄美市歴史民俗資料館」は、「奄美の歴史と文化-黒潮の足跡-」をテーマにしている施設で、考古・自然・民俗の資料を通して、奄美大島の歴史を学べます。
奄美大島の人々の生活様式の歴史や縄文時代に行われていた南島と九州を結ぶ文化交流など、様々な時代の奄美大島を知ることができるのでおすすめです。
2つの常設展示があり、考古資料展示室は、遺跡や遺物で3万年の奄美大島の歴史を紐解いているのが特徴です。
民俗資料展示室は、戦前に使用されていた農具や生活用品などの展示で島民の暮らしの歴史を覗けるようになっています。
住所:鹿児島県奄美市笠利町大字須野670
営業時間:9:00〜17:00
アクセス:奄美空港から車で約10分
駐車場有無:有り
りゅうがく館
出典:鹿児島県観光連盟
「りゅうがく館」は、西郷松跡と西郷翁上陸の地で伐採された松の木を利用して作られた西郷隆盛と愛加那の木像が展示されている、ミュージアムです。
1Fの図書館では、奄美大島の歴史や文化を学べる書物があり、2Fは、郷土資料館として奄美大島の歴史や西郷隆盛の軌跡が学べる展示がされています。
西郷隆盛の大河ドラマ展示なども行っていたこともあり、ドラマ関連の書籍なども豊富!
コンパクトながら充実した展示が楽しめるため、西郷隆盛の歴史に興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。
住所:鹿児島県大島郡龍郷町瀬留968−1
営業時間:9:00〜22:00
アクセス:奄美空港から車で約20分
駐車場有無:有り
まとめ
今回は、奄美大島の歴史や文化についてご紹介しました。
気になる観光スポットがあったら、ぜひ足を運んでみてください。
また、現地で島民との交流の機会があれば、色々聞いてみるのもおすすめです。
奄美大島の魅力をより深く知るために、歴史や文化を体感してみてはいかがでしょうか。
↓ あわせて読みたい記事はこちら ↓