
奄美大島の大島紬体験ツアーと観光スポット完全ガイド!伝統的な大島紬の魅力を堪能しよう
目次
世界三大織物にも数えられる大島紬とは?
大島紬(おおしまつむぎ)は、日本が誇る伝統的な絹織物で、「世界三大織物」の一つとされています。
フランスの「ゴブラン織」、「ペルシャ絨毯」と並び称される大島紬は、泥染めと手織りによる独特の光沢と軽やかさが魅力です。
緻密な柄はすべて職人の手作業で織り上げられ、その芸術性と品質の高さから世界中で高く評価されています。
◆泥染め体験をしてみたい方
◆伝統的な大島軸に興味がある方
◆伝統文化の体験をしてみたい方
紬(つむぎ)とは?
紬とは、蚕の繭から作られた絹糸を使用した織物で、絹特有のツヤのある光沢感と高級感が特徴です。
紬は「先染め」という技法で、糸の段階で染色を行い、それを織り上げることで美しい模様を生み出します。この染めや織りには高度な技術と手間がかかるため、製作には多大なコストが必要です。
紬はその美しさだけでなく、耐久性にも優れており、昔から日常着や作業着としても幅広く愛用されてきました。
大島紬の歴史
大島紬の歴史は奈良時代にまで遡ります。東大寺正倉院の記録には、南の島から褐色の紬が献上されたと記されており、これが大島紬の原型とされています。
現在の製法に近づいたのは1716年頃で、真綿の紬糸をテーチ木と泥田で染める技法が確立されました。
明治時代に入ると広く流通し始め、大正時代には本絹練糸が使用され、独特の光沢を持つ現在の大島紬が完成。近年ではテキスタイル製品も登場し、洋服や小物など幅広く活用されています。
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大島紬の特徴と魅力
大島紬は、紬の中でも特に手間と時間をかけて作られる高級織物です。
伝統的な泥染め技法を用い、染料に浸した糸を泥田で揉み込むことで、深みのある美しい色合いを生み出します。仕上がりは繊細ながらも丈夫で、軽くてシワになりにくいのが特徴です。
着物としての実用性も高く、完成までに半年から1年を要することから、その価値と希少性が際立っています。
自然が作り出す独特な色
◆奄美大島に自生するテーチ木を煮出し、丁寧に染料を抽出
◆泥染めと呼ばれる技法で、テーチ木由来の染料と奄美の泥土の鉄分が反応し、深みのある黒やこげ茶に染まる
◆自然素材ならではの温かみのある色合いが魅力
絣(かすり)加工
◆糸の染め分けと織りの精巧なバランスで、美しい模様が生まれる
◆絣技法の起源はインドで、日本には東南アジアを経由して伝わった
◆奄美大島では独自の絣技術が発展し、多彩な紋様の大島紬が生産されている
◆幾何学模様や自然をモチーフにした伝統的なデザインが多い
軽くてしわになりにくい
◆500mlのペットボトルよりも軽く、着物としては珍しい軽さ
◆スルスルとした手触りで、肌に心地よくフィット
◆軽量ながらも丈夫で、しわになりにくい特性を持つ
◆気軽に着用でき、日常使いにも適している
着くずれしにくい
◆一度着付けをすれば、着崩れの心配が少ない
◆着物初心者でも安心して着用できる扱いやすさ
◆日常着や作業着としても親しまれた理由のひとつ
◆見た目の美しさと利便性を兼ね備えた織物
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大島紬の制作工程とは?
大島紬は、多くの工程と高度な技術を経て完成します。ここでは、その大まかな流れをご紹介します。
・まず、デザインの原図を作成
*使用する糸の密度や配置を考慮し、織物用の詳細な図案を作成
②整経(せいけい)—糸の準備
・経糸(たていと)の長さや本数を揃える作業
・製作中のもつれや順番間違いを防ぐため、丁寧に整える
*大島紬は製作に数ヶ月以上かかるため、ここでの準備が重要
③糊付け(のりづけ)
・海藻(イギス)を使って糸に糊付け
・糸をまとめる
*防虫効果・伸縮性の強化・艶出し効果
④ 絣締め(かすりじめ)—模様の準備
・図案に沿って糸を締める作業
・大島紬特有の締め木を使い、強い力で糸を固定
*これにより、独特の絣模様を作り出す準備が整う
⑤染色—泥染めの工程
・テーチ木(車輪梅)の染料を使用
・糸を30回以上染め、さらに泥田で揉み込むことで色を定着
*泥に含まれる鉄分と反応し、深みのある黒やこげ茶色に染まる
⑥織りの工程
・染色後、織締めしていた糸を解き、絣模様を露出
・絣を合わせながら、糸を設計通りに織り込む
・絣調整:数センチごとに織りを止め、模様のズレを確認し手縫いで修正
*1日に織れるのは約10センチ程度という繊細な作業
⑦仕上げと検品
・完成した大島紬は、本場奄美大島紬協同組合による24項目の厳しい検品を受ける
*合格した製品のみが市場に流通
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奄美大島の伝統産業を
体験できる人気のツアー
奄美大島に根付いた文化の一部である大島紬に触れれば、より土地を深く知り、味わうことができるでしょう。
大島紬は高級品なため、気軽に購入することは難しいかもしれません。しかし、大島紬の伝統産業を体験できるツアーが奄美大島では開催されているため、文化としての大島紬はどなたでも気軽に楽しむことが可能です。
大島紬に関連する体験ツアーをご紹介していきます。
女性に大人気!着付け体験
大島紬は着物ですから、せっかくなら袖を通してみたいと思われる方が多いのではないでしょうか。奄美大島ではそんな希望を叶えてくれる、お手軽な着付け体験が開催されています。
一から完璧に着付けを行うと時間がかかってしまうため、旅行中に時間を使って体験していいものかと迷われる方も多いかもしれません。しかし、着付け体験では洋服の上から簡単に着る体験をさせてもらえるため、想像以上に気軽に試してみることが可能です。
また、男性用やお子様用の着物も用意されているため、カップルやファミリーでのご旅行にもピッタリですよ。
↓大島紬の着付け体験はこちら
5歳~参加OK!はた織り体験
続いて、大島紬を作成するための要である織機を使ったはた織り体験をご紹介させていただきます。
はた織りと聞くと器用でなければできないように思われるかもしれませんが、奄美大島での体験では簡単な織機を使用するため技術的な心配はいりません。ただ織るだけの体験ではなく、自分で織った布はハンカチなどに使用できる上品な一枚の反物として持ち帰ることが可能です。
体験だけでなく思い出に残るお土産を手にすることもできる、非常にオススメ度の高い体験となっています。
↓大島紬のはた織り体験はこちら
0歳~参加OK!泥染め・藍染め体験
大島紬のもう一つの特徴として挙げられる染色の工程も、奄美大島では体験することができます。
泥染めでは泥田に使って行う工程をしっかりと体験することができるため、文化的な知識を得られるというだけでなく、イベント的な楽しさもたっぷりです。お子様連れのご家族からの評判もとても良く、レジャー的な楽しみ方もできる体験となっています。
ただし、体験の内容上、高確率で衣服が汚れてしまう点に注意が必要です。こちらの体験に参加する際には、必ず汚れても良い格好で行くようにしてくださいね。
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着付け体験や泥染体験を楽しめる
奄美大島の観光スポット
ここまでにご紹介させていただいた体験を楽しめるスポットは、奄美大島の中のあちこちに点在しています。そんな中でも特に体験に参加しやすいおすすめスポットをご紹介します。
どちらも観光中に気軽に訪れやすいスポットですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
夢おりの郷
「夢おりの郷」は、大島紬の織元によって運営されている、大島紬という文化にさまざまな方向性から触れられるのが魅力のテーマパークです。大島紬について図案、染色、はた織、製品と、その多彩な魅力を余すところなく眺めることができます。
施設には紬工房が併設されており、実際に製作を行っている職人さんともお話をしたり、作業工程の様子を自由に見学することができ、希望者はたった300円で工程を案内してもらうこともできるのが嬉しいところ。
体験料:大人3,500円 / 小学生以下 2,500円(税込み)
◆泥染め体験(Tシャツ染め)
体験料:4,000円(税込み)
◆はた織り体験
体験料3,500円(税込み)
また、大島紬の展示販売やお求めやすいお土産品の販売も行われていますので、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
大島紬村
もう一ヵ所ご紹介させていただく「大島紬村」も、大島紬の織元によって運営されている大島紬の観光庭園です。こちらは500円の入場料が必要となります。
大島紬村の大きな特徴としては、約1万5千坪という広大な敷地に施設が設けられており、施設内に亜熱帯植物庭園があるという点が挙げられるでしょう。
ブーゲンビリアやソテツ、ヒカゲヘゴなど南国を感じさせてくれる植物の数々が生い茂った中でも文化体験は、奄美大島の魅力を大いに感じさせてくれること請け合いです。
体験料:4,000円(税別)
◆泥染め体験
体験料:1,200円~(税別)
◆はた織り体験
体験料1,000円(税別)
ぜひ奄美大島の風土を味わいながら大島紬に触れて、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
アクセス:奄美空港から車で約16分
駐車場:20台
営業時間:9:00~17:00
定休日:大晦日・元旦
入園料:大人が500円・小中学生が200円(ショッピングのみのご利用は無料)
まとめ
今回は奄美大島の伝統文化、大島紬に関するさまざまな情報をお届けさせていただきました。着物に関心がある方はもちろん、それ以外の方でも実物を目にすれば、きっと心を奪われてしまうことでしょう。
ぜひ奄美大島を巡る旅のプランに、大島紬に触れるひと時を盛り込まれてみてはいかがでしょうか。
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